いま話題の映画「サンセット・サンライズ」を見てきました。
思っていた以上に笑えて、泣けて、面白かった!
この映画の舞台である南三陸で私は生まれました。
映画の予告をみたとき、正直あまり見たくない映画だと思ったんです。
震災のことを思い出して、悲しい気持ちになるのが嫌だから。
今回は「サンセット・サンライズ」について、私の個人的な映画の感想を綴ります。
映画について
自分の”好き”を諦めない—
その先で見つけた新しい幸せのカタチ
楡周平原作の「サンセット・サンライズ」(講談社)を菅田将暉主演で映画化。
書いたドラマは必ず注目を集めるといえるほど、期待と信頼を一身に浴びる宮藤官九郎が脚本を手がけ、『正欲』(23)の岸善幸監督との異色のコラボレーションから生まれた本作。
都会から移住したサラリーマンと宮城県・南三陸で生きる住民との交流や、人々の力強さや温かさをユーモアたっぷりに描き、その背景にあるコロナ禍の日本、過疎化に悩む地方、震災などの社会問題と向き合いながら豊かなエンターテインメントに転化させたヒューマン・コメディ。
映画「サンセット・サンライズ」公式ホームページより
ストーリー
新型コロナウイルスのパンデミックで世界中がロックダウンに追い込まれた2020年。
リモートワークを機に東京の大企業に勤める釣り好きの晋作(菅田将暉)は、4LDK・家賃6万円の神物件に一目惚れ。何より海が近くて大好きな釣りが楽しめる三陸の町で気楽な“お試し移住”をスタート。
仕事の合間には海へ通って釣り三昧の日々を過ごすが、東京から来た〈よそ者〉の晋作に、町の人たちは気が気でない。
一癖も二癖もある地元民の距離感ゼロの交流にとまどいながらも、持ち前のポジティブな性格と行動力でいつしか溶け込んでいく晋作だったが、その先にはまさかの人生が待っていた—?!
映画「サンセット・サンライズ」公式ホームページより
感想
冒頭でもお伝えしたように、私はこの映画の舞台である、南三陸で生まれました。
母の実家が南三陸町の志津川という町で、震災の時に実家は津波で流されてしまいました。
奇跡的に家族全員無事でしたが、辛い思いをした友人たちのこと、
当時の経験を思い出すと、10年以上経った今でも悲しくて心が痛くなる。
だから、震災に関わる映画はあまり見たくなかったんです。
けど、この映画の脚本が宮城県出身のクドカン(宮藤官九郎さん)と分かり、この映画を観てみたいと思えました。
それは、クドカン脚本の連続テレビ小説「あまちゃん」を見ていたからです。
「あまちゃん」では震災のシーンがありましたが、震災の書かれ方は見ていて不快に思うことはありませんでした。
重すぎず、軽すぎない。ちょうどいいくらいだったんです。
「あまちゃん」の脚本を手掛けたクドカンだったら、気持ちも落ち込みすぎずに映画を楽しめるかもと思えました。
いざ映画館に向かうと、「サンセット・サンライズ」のシーンが張り出されており、「宮城県で撮影されました」と大きく紹介されていました。

ここはMOVIX仙台、映画の凱旋舞台挨拶が行われた映画館だったんです。
学生時代から通う映画館に主演の菅田将暉さんや、クドカンが来てたのかと思うと、彼らに直接会えるわけではないのになぜかワクワクしてきました。
劇場内は、平日の昼間なのに結構お客さんが入っていました。
映画は中村雅俊さんが漁師として、東京から来たカップルと漁船の上で話すシーンから始まりました。
中村さんは宮城県出身。
彼が話す度に、観客席から笑い声が聞こえてきました。
中村さんの方言が最高だったんです。
いつも標準語でダンディなイメージだった中村さんが、親しみやすい方言バリバリのおじさんでいることが新鮮で面白かったんだと思います。
漁師役の中村さんを見ていて、私の祖父のことを思い出しました。
祖父は南三陸で漁業をしており、漁船に乗って一緒に釣りに行ったりしていたんです。
映画の中の街並みが祖父母が住んでいた場所に似ていて、懐かしい気持ちにもなりました。
序盤から、そんなことを思いウルウルしてしまいました。
この映画、笑える箇所が多かったのは予想外でした。
前半はコメディ多めで進んでいくんですが、町の人たちがいいキャラで笑わせてくれるんですよ。
おじいちゃんもおばあちゃんも、どこでこんなハマり役のいい役者さん見つけてきたの?!と何度思ったか。
ハマり役でいうと、三宅健さん演じるタケ。
根本が黒くなった明るい髪色や、薄い眉毛の田舎のヤンキー風なんです。
地元の先輩で、イケメンでこんなヤンキーいたなぁと思って観ていました。
そして、役者のみなさん方言がうまい!
後で分かったのですが、役者さんたちは方言のトレーナーさんをつけていたそうです。納得です。
東北出身の方なら分かっていただけると思うんですが、東北出身ではない俳優さんが東北弁を話されるときって違和感ありませんか?
東北弁って、フランス語みたいな、鼻濁音が入る話し方をするんです。
鼻濁音がない東北弁を聞くと、ちょっと違うと思ってストーリーにのめり込めないことがあるんです。
けど、この映画はそういう違和感が少なく、ストーリーに集中できました。
映画の中で、ひと際目立って方言がうまかった俳優さんがいたんです。
いろんなドラマで見る方だけど、名前が分からなくて。映画が終わってから必死に調べました。
名前は、半海一晃さん。やはり宮城県出身の俳優さんでした!
後半、映画はどんどんコメディ要素が少なくなっていきます。
ヒロインの百香(井上真央)の辛い過去が少しずつ分かってくる。
震災で経験した辛すぎる経験を乗り越えられないでいる百香を見ていると、感情移入して泣けてきました。
私も同じことを経験していたらと考えるだけで、胸が締め付けられます。
この映画で一番印象に残っているシーンがあります。
主人公の晋作(菅田将暉)が「東京からきた自分は、震災の話になるとどうしていいか分からなくなる」と言うと、
「ただ見ていればいい。ただ来て、おいしいものを食べて帰ればいいんじゃない」と震災経験者のケン(竹原ピストル)が話すシーン。
今まで言葉にできなくてもどかしかった気持ちを、代弁してもらえた気がしました。
これまで震災の経験を聞かれることは山ほどありました。
そのたびに、話を聞いた相手がどうしたらいいか分からないような顔をしているのを見てきました。
震災の話題って簡単に聞いて、話して、「あら、大変だったね」で終わる話じゃないんですよね。
南三陸は津波の被害がひどかった場所ですが、それだけだと思ってほしくない。
ごはんが美味しい、美しい場所なので、もっと多くの人に東北の良さを知ってもらえたらいいなと
この映画をみて改めて思いました。
映画の終盤では、成長したキャラたちがそれぞれ前に進んでいく。
普通に幸せになって終わるわけではない、そんな映画の終わり方が好きでした。
映画を観終えた後は落ち込んだりせず、わたしの気分はすっきりしていました。
久しぶりに観てよかったと思える映画に出会えました。
まとめ
「サンセット・サンライズ」は震災を経験した方、そうでない方にもおすすめの映画です。
映画をみて、美味しいものを食べに東北に来てくれたらうれしいです。
んで、まず!
宮城出身のサンドウィッチマンのLA公演レポもしています。
